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教育プログラム

研究拠点形成実績報告(成果報告)

‖17年度(2005年度)‖

  研究拠点形成実績の概要
  教育活動

 研究拠点形成実績の概要

17年度は15、16年度に確立した体制を更に発展させ、研究・教育計画を実行に移した。

(1) 拠点運営・研究体制の充実:大学によって認可されたプロジェクト研究所「自己組織系物         理ホリスティック研究所」を本COEの研究活動の拠点とし、推進者とCOE研究員10名で研究活動を推進した(平成17年度決算報告書(様式13)COE研究員人件費6600万円)。このプロジェクト研究所は学内でのCOE活動の自由度を上げることを目的に設立した。大学からの支援経費(約600万円)を利用し今年度はのべ25名の非常勤講師を採用し、事業推進者の担当講義・実験などの教務負担の軽減を図った。

(2) 研究設備の充実:COE助成金を若手研究者の雇用経費、RA費、奨励研究費及び事業推進費にできる限り充てるため、各グループリーダーが中心となって昨年度同様科学研究費を中心に外部資金獲得に動いた。実験系コアメンバー(代表:竹内)は17年度私立大学学術研究高度化推進事業学術フロンティア研究(物性物理)に採択され、計測実験装置の充実を図った。大島は科学研究費基盤研究Sに採択され、高性能電子ビーム源の開発を加速している。石渡と木下はそれぞれ独立に科研費特別推進研究を継続している。

(3) 若手研究者の養成・教育制度の充実:17年度は、RA18名を採用した。客員講師(PD)には「奨励研究費」を助成し独自研究を支援するとともに、本専攻の博士課程学生にも、公募・選考の上「奨励研究費」を助成した(平成17年度交付申請書研究拠点形成実施計画(1))。PDが中心となって企画する大学院登録科目「ホリスティック物理学特論」を前年度に続き実施した。この科目では、PDにとっては将来的な研究指導の予行演習の場となり、また大学院生にとっては物理・応物の様々な分野で研究する年齢の近い若手研究者の生の声を聴き議論を戦わせる機会となることを目的とした。また、大学院登録科目「自己組織系物理学特論」(講師:観山正見(国立天文台)、八木駿郎(北大)、宝谷紘一(JST))を引き続き開講し、最先端の研究を大学院生に早くから意識させるように仕向けた(同計画(2))。17年度は4名の博士課程学生を短期留学させ、2名の博士課程研究員を受け入れた(同計画(8)、同決算報告書(様式13)外国旅費)。仏サボア大学とは箇所間協定を活用した相互指導を開始し、米国ロックフェラー大学と箇所間提携を締結した。シンポジウム等で招聘した外国人には若手ポスター発表の講評を依頼するなど、世界一線の研究者と直にやり取りをする機会を設け学生の研究意欲を刺激した。

(4) 有機的連携:COE推進者、専任教員、客員教員で構成されるプロジェクト研究所「自己組織系物理ホリスティック研究所」を利用し学内での研究・教育活動の自由度を広げた。研究分野が異なる客員講師(PD)と博士課程研究補助員(RA)を一箇所に集めた学外拠点“相互研鑽の場”を一層整備し、外国人ゲストとの交流等に活用した。推進者同士の情報交換の場である「COE談話会」(昼休みを利用して軽食を用意し学生も自由参加)を開催し、研究の着眼点、失敗談を論じ合う機会を定期的に設けた(同計画(4))。本年度は当初計画どおり宇宙と物性を重視し、例えば有機導体の不均一状態及び宇宙の大域構造との類似性(寺崎・田崎・前田)、中性子星と超伝導(山田・栗原)等の研究が軌道に乗った。更に学術フロンティアの助成金により導入した新計測装置の共同利用(竹内・上江洲・勝藤・寺崎ら)、グループ内の連携(生体分子モーター(石渡・木下・多辺・高野)、量子状態制御(田崎・中里・大場))等が進捗し、具体的な成果を共著論文にまとめるなどした。

(5) 対外発信:世界物理年に合せ、本COEの活動内容を市民講座「宇宙、物質、そして生命」として7月に公開した。拠点の成果を社会に還元するとともに、和文、英文のリーフレットを作成し、自己組織系物理学という学問分野の普及に努めた。北京大学において拠点リーダーが招待講演を行うなど海外においてもCOEの広報活動を推進した。また第3回自己組織系物理シンポジウム(参加者130名)を、宇宙と物性をテーマに、9月に開催した(同計画(5)(7)J. Phys.: Conference Series 31)。随時更新の和文、英文によるWebページ(http://www.phys.waseda.ac.jp/coe21/)、次世代を担う学部生に対象を絞った平成16年度活動報告書等を通じ本拠点の特色、研究成果、教育活動を内外に向けて発信した。
 

 教育活動

 
(1) 客員講師(PD)、博士後期課程研究補助員(RA)の雇用:平成17年度は、PD(客員講師)9名を雇用した。このうち4名の他機関へ転出(大阪工業大学助教授、明治大学専任講師、産総研研究員、中国農業大学学院助教授。3名がパーマネントポジション)が決まった(18年4月より)。これを受けて18年度COE研究員の一般公募と選考を行ない、4名(うち外国人1名、応募者48名)を採用する。大学院生RAの学内募集と選考を行い、グループリーダーからなる選考委員会によって書類審査で18名(飛び級2名。外国人1名)を採用した。昨年度同様研究実績を考慮して二段階の支給額を設定し、平均月額5万円10ヶ月(5名は5ヶ月)を支給した(同決算報告書(様式13)RA費800万円)。

(2) 奨励研究費:今年度は客員講師(PD)9名に対しても、学内公募として研究課題を募集した。申請内容また科研費の採択の有無も鑑み奨励研究費の重点配分を行った。同様に学内公募によって、博士課程学生、本学研究員を対象に研究課題を募集し、選考委員会による審査を経て18件を採択した。特に学生の課題に対しては研究実績だけではなく着眼点、新規性を重視して、研究意欲を鼓舞する意味も含めて採用を増加させた(同決算報告書(様式13)奨励研究費1400万円)。

(3) 博士課程へ進学する修士課程学生への支援:博士後期課程進学が内定した専攻修士課程(M2)学生に対し、経済的支援と研究意欲の鼓舞を促す目的で、実習補助員を募集した。選考委員会による会議を行い、後期に7名を採用した。

(4) 客員講師(PD)による講座:客員講師の将来の研究指導能力を伸ばす目的と、博士・修士課程学生の異分野間の交流を促進する目的で、「ホリスティック物理学特論」を継続開講した。客員講師が週一回ゼミ形式で学生の発表を中心とした討論会を企画し、学生に対して、研究を進める上での考え方、プレゼンテーションの仕方を忌憚なくアドバイスしている。学生には毎回、発表の要旨と事後評価を電子メールで回覧している。

(5) 第一線研究者との交流:博士、修士課程学生に対し早くから研究に対する問題意識、研究意欲を植え付けるため大学院登録科目「自己組織系物理学特論」を継続開講した(同計画(2))。17年度は八木駿郎(北大、物性物理)、宝谷紘一(JST、生物物理)、観山正見(国立天文台、宇宙物理)三氏による集中講義を行った。講義後、推進者も交えてじっくりと質問等をかわす時間を設けた。本講座は理工学研究科の他専攻にも公開し、他専攻からも受講者があり、聴講者30名以上を数えた。関本謙氏(パリ第7大学、生物物理)には集中講義を、大澤文夫氏(名大・阪大名誉教授、生物物理)には2日間に渡るセミナーを担当していただいた。自己組織系物理シンポジウム(9月1-3日。同計画(5))は、副題をAstrophysics as Interdisciplinary Scienceとして開催し、宇宙物理、物性物理の専門家を内外から招聘した。学生の研究意欲を刺激するためポスター賞を制定し、招聘者には審査委員になっていただき、4名の研究を表彰した。

(6) 海外研究教育機関との交流:交換学生・研究者を2名招聘し、海外へ4名派遣した(同決算報告書(様式13)外国旅費)。招聘者一名は箇所間協定を結んだサボア大学からの学生であり、約10ヶ月滞在して本学での研究を基礎に学位申請を行う計画である。同大学へは18年度4月より本学からの交換学生の派遣が決まっている。また米国ロックフェラー大学と協定を結び、仏ESPCIとは協定準備中である(同計画(8))。

(7) COEセミナー・ワークショップ、市民講座の開催:テーマを絞ったCOEセミナー・COEワークショップを随時開催した。合計23回を数える(同計画(6))。世界物理年を契機に市民講座「宇宙、物質、そして生命」を開催し(同計画 (7)))、一般市民にCOE活動の趣旨を理解してもらう機会を設け、学問分野の普及に努めた。
 


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