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第2回COE(自己組織系物理)セミナー (通算8回)
“神経細胞の可塑性と情報伝達の可視化” |
講 師 |
安田涼平 氏(Cold Spring Harbor研究所博士研究員) |
日 時 |
2004年6月28日(月) 16:20-17:50 |
場 所 |
早稲田大学理工学部51号館2階第二会議室 |
講演の概要 |
「脳の神経系では、神経細胞の樹状突起に、たくさんの小さい(0.1フェムトリットル)突起物が見られる。これらは
スパインとよばれ、多くのシナプスがこのスパイン上に形成される。スパインの内部にカルシウムが流入すると、
数々の情報伝達経路を刺激して、シナプスの結合の強度を制御する。このシナプスの可塑性が、記憶と学習を担っ
ていると思われる。スパインの中で、タンパク質の活性がどのように制御されているかを調べる事は記憶と学習の
分子メカニズムを考える上で重要となる。 スパインにあるカルシウムチャンネルの活性は、スパイン内部のカルシウムの濃度を2光子顕微鏡で調べることに
よって一分子レベルで調べることができる。これによって、強い刺激を神経に与えるとスパインのカルシウムチャ
ンネルが抑制され、それに伴いシナプスの可塑性も変化することがわかった。スパイン内部の情報伝達の詳細を調
べるため、蛍光寿命顕微鏡をもちいて、スパイン内部のタンパク質相互作用の可視化も試みている。」
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