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第4回21世紀COE自己組織系物理シンポジウム概要

 第4回を迎えた自己組織系物理シンポジウムは、2006年9月6,7,8日に開催されました。今回のテーマは「凝縮系の自己組織化」としました。近年ナノテクノロジーを使った凝縮系の新機能材料の創成は、固体はもちろんのこと生体物質を含むソフトマターにおいても著しく進んでいます。しかしながら、この領域での微細加工の作製や操作、それに関わる現象の計測と解明は必ずしも容易ではありません。自然現象がもつ本来の性質を用いて組織を制作するプロセス、即ち自己組織化を巧みに利用すれば従来にはない新しい機能を微細構造物に持たせることが可能になります。そこでこのシンポジウムでは、ナノサイエンス、強相関電子系、ソフトマターなどの諸テーマに対し、様々な分野からの知見を持ち寄り議論することによって、これまでとは質的に異なる凝縮系の自己組織化に対する理解を深めることを目的としました。

 今回の参加者は約170名でした。基調講演者としてKarl-Heinz Rieder 教授(スイス、EPMA) 、秋光純教授(青山学院大学)、Ronald Cohen教授 (米国、Carnegie Institution of Washington)、福山秀敏教授(東京理科大)、Alexander Mikhailov 博士(ドイツ、MPI)を招聘し、理論、実験を含めて凝縮系の最新の研究結果を議論しました。
  二日目以降は、セッションのテーマを低温物理、ソフトマター物理、強相関電子系、ペロブスカイト酸化物と更に絞りました。 Cheng Chin教授(米国、 Univ. of Chicago)、Christoph Renner博士(英国、Univ. College London)、Mario Maglione博士(フランス、ICMCB)、段下一平氏(米国、NIST)を海外から、大橋洋士助教授(慶応大)、?合憲三教授(東京理科大)、横山 浩博士(産総研)、鹿野田一司教授(東大)、森 茂生教授(大阪府立大)、野田幸男教授(東北大)、東 正樹助教授(京都大)を国内から招聘しました。また、早稲田からは、石渡信一教授、多辺由佳教授、寺崎一郎教授がそれぞれ、生物運動系の階層構造、液晶単分子膜、強相関電子系における本質的不均一、について講演を行いました。
  今回のシンポジウムでは特に招聘者同士の議論が相次ぎました。理論、実験を問わず活発な質問が飛び交いました。勿論若手研究者からの質問も相次ぎました。また国内他大学の大学院生の聴衆としての参加も多々ありました。PD、RA、大学院生によるポスター発表を行い、招聘講演者には昨年同様ポスター賞の審査員となっていただき、次の2名の学生の研究を表彰しました。

・渡辺豪  Dynamics of Chiral Liquid Crystal Molecules under the Transmembrane Flow

・鈴木健士  Simultaneous spin and orbital ordering in spinel MnV2O4

 最終日にはMario Maglione博士にConcluding Remarksを依頼し、博士は若手の活躍が目立つシンポジウムであったと講評されました。このシンポジウム期間を通じて学生を含む若手研究者は世界の先端研究者の研究哲学に直接接する機会を得て、大いに刺激を受けたことは間違いありません。更に、今回のシンポジウムがきっかけとなり招聘者のグループと共同研究を始めた研究室が出てきました。今後の早稲田COEの特に若手研究者のさらなる発展にご期待下さい。

 以下にシンポジウムの様子を記した写真を示します。




                   集合写真
招聘研究者らと。最前列左2人目鹿野田教授(東大)、4人目Cohen教授(Carnegie Institution of Washington)、以降順に大島シンポジウム委員長、野田教授(東北大)、横山博士(AIST)、石渡拠点リーダー。2列目、左よりMaglione博士(ICMCB)、3人目寺ア副委員長、隣から順に東教授(京大)、秋光教授(青学大)、Rieder教授(EPMA)、Renner博士(Univ. College London)。左手後方にMikhailov 博士(MPI)、福山教授(東京理大)、中央後方大橋助教授(慶大)、右手後方z合教授(東京理大)。


ポスター会場


石渡拠点リーダー挨拶

てすとてすと
Cohen教授


Mikhailov教授


バンケット

 


ポスター会場


議論を交わすRieder教授と大島シンポ



福山教授

多辺教授
多辺教授


バンケット


WASEDA UNIVERSITY