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第2回21世紀COE自己組織系物理シンポジウム概要

 生物や宇宙に見られるさまざまな自然現象や構造も、物質世界と同様、多種多様な要素(多元要素)からなる自己集合システムが織りなす一つの様相と捉えることができる。これまでの物理学は、単一あるいは数種類の要素からなるシステムを研究対象にしてきたが、本学21世紀COEプログラムでは、"多元要素からなる自己組織系"を取り上げ、生物・物質・宇宙にまたがる記述体系を見出すこと、少なくともその方向性を示すことを目的としている。今回のシンポジウムは、テーマを生物物理と物性物理に絞り、講演者に各々の先端研究について紹介していただいた。参加者130名。基調講演は、J. Prost教授(仏ESPCI校長) 、木下一彦教授(岡崎国立共同研究機構) に依頼し、招待講演者としてC. F. Schmidt教授(蘭Vrije大学) 、T. Kapoor教授(米国Rockefeller大学) 、近藤滋教授 (名大) 、川端和重教授 (北大)、 金子邦彦教授 (東大)を招聘し、理論、実験を含めて最新の研究結果を議論するとともに、生物物理のパラダイムについても議論した。早稲田からは、竹内淳教授、勝藤拓郎助教授が物質が織り成す多彩な自己組織系の物理について講演を行った。全て英語での講演に関わらず、会場からは他大学教授(太田隆夫京大教授、佐野雅己東大教授、花村栄一先生、Strukovaモスクワ大教授ら)、PD、学生からも質問があり、時間を延長するほど活発な議論がなされる等、参加者は昨年度より少なかったものの充実した内容のシンポジウムであった。PD、RA、飛入参加者によるポスター発表も行い、招聘講演者にはポスター賞の審査員となっていただいた。選考は2日目の昼まで続けられ、委員長のJ. Prost教授から総講評をいただいた。4名の学生の研究を表彰した。学生を含む若手研究者は世界の先端研究者の研究哲学に接する機会と直に英語で議論をする機会を得て、大いに刺激を受けたことは間違いない。


招聘研究者らと。一列目左よりSchmidt教授、Prost教授、石渡教授、Kapoor教授、二列目石渡教授後方木下教授。


木下教授の基調講演。


若手からも質問が相次ぐ。


ポスター会場。時間の許す限り議論が続く。総計46件の研究発表があり4件をポスター賞として表彰した。


J. Prost教授の基調講演。


会場風景。木下教授の講演に対して質議するProst教授と石渡教授。この後Kapoor教授も議論に加わる。


会場風景。


ポスター会場。57号館ホワイエにて。講演者にはポスター賞選考委員を努めていただいた。


ポスター賞表彰。

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